Histoire -サバットの歴史-

>起源 >創世期 >普及期 >現代 >そして現在

■ 起源 ■

人気格闘技マンガの影響でしょうか、かつては日本では「軍隊で兵士を蹴飛ばす懲罰」がサバットの起源と信じられていました。
しかし、実際はその歴史はかなり古く、紀元500年〜1500年頃に、現在のフランスに当たる地域で、 古代ギリシアのパンクラチオンを起源とする格闘術が、脚技を中心とした格闘技術として発展していったのが始まりです。 この時期、農民は棒を武器としていましたが、剣士はブーツを、ブルターニュ地方のレスラーたちは木靴を武器に、 蹴り技を戦いに用いていたのです。サバットは、欧州を起源とする唯一の打撃系格闘技といわれています。

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■ 創世期 ■

ショソン 18世紀頃になると、フランスでは「ショソン」と「サバット」という、脚を使う2種類の格闘技が形成されました。
南フランスで栄えた「ショソン」は、元々マルセイユの海賊たちの戦闘技であり、後に水夫の間で広まったもので、 不安定な船の上で戦うため、手すりを巧みに使う技でした。
一方「サバット」は、パリのゴロツキたちの間で用いられていた喧嘩のための技です。 ゴロツキたちの代表格が、サバットの創始者「ならず者閣下」こと、ミッシェル・カスーです。 彼は未完成ながらも、サバットを体系化し、最初のサバットジムを開きました。 当時彼の作った技のリストは、改良を加えられながらも現在もサバットのマニュアルとして使用されています。

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■ 普及期 ■

シャルルモン・ルクール カスーの創設したサバットを、現在の形に近づけ普及させたのは、彼の弟子であるシャルルモン・ルクールです。
彼はサバットを普及させるターゲットを、生活に余裕のある上流階級に絞り、「護身術」として売り込みました。 その際に彼の弟アンリは、優雅でカラフルなコスチュームをデザインし、 自らそれを身に着けてデモンストレーションを行いました。
これが話題となり、街の喧嘩術であったサバットは、ファッション性と護身術としての実用性を兼ね備えた 格闘スポーツとして発展していくこととなったのです。
護身術として発達していった、この頃のサバットは、紳士たちが通常持ち歩くステッキを用いた武器術「ラ・カン」と、 打撃に対抗する投げ技「リュット・パリジェンヌ(パリジャン・レスリング)」を含む総合格闘術でした (なお、現在ラ・カンは独立した競技としてスポーツ化されていますが、 リュット・パリジェンヌは危険な技術が多く、競技化はされていません)。



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■ 現代 ■

サバット現代 1800年代に入ると、公式ルールが作成され、競技スポーツとして確立されていきます。
この頃には、英国式ボクシングとの交流戦が頻繁に行われるようになり、 その戦いの中で、パンチの有効性を認識し研究を重ねた結果、 それまで掌打程度しかなかったサバットの手技は飛躍的に発展し、 現在のフランス式「ボクシング」としての形が整えられていきました。




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■ そして現在■

サバット現在 その後隆盛を誇ったサバットですが、二度の世界大戦によって多くの競技者を失い、しばらく低迷期に入りました。

しかし、1960年代以降、徐々に競技人口も増え始め、フランス柔道協会のもとで活動を行っていたフランスサバット連盟は、75年に独立、また85年には国際サバット連盟が設立されました。
89年には第一回の世界大会が開かれ (その後、二年毎に開催されています)、現在では、アジアの一部を除く世界各地で、競技スポーツとして広く普及しています。

2006年9月、東京で開催された「K-1 MAX」には コンバの現役チャンピオンであるファリッド・キダールが出場し、勝利をおさめました。



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